「リハビリテーション」と聞くと、病院での専門的な治療を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、近年では自宅でできるリハビリ方法として「ピラティス」が注目されています。
ピラティスは、もともと第一次世界大戦中に負傷兵のリハビリのために考案されたエクササイズです。そのため、身体の機能回復や姿勢改善に効果的であり、年齢や体力に関係なく取り組むことができます。特に高齢者や運動に不慣れな方にとって、無理なく続けられる点が魅力です。
この記事では、ピラティスがリハビリにどのように役立つのか、具体的な効果や実践方法について詳しく解説します。また、自宅でのリハビリに役立つおすすめのグッズもご紹介します。
ぜひ、日常生活にピラティスを取り入れて、健康的な体づくりを目指しましょう。
Contents
ピラティスとは?
ピラティスの起源と特徴
ピラティスは、ドイツ人のジョセフ・ピラティスによって開発されたエクササイズです。彼は第一次世界大戦中、負傷兵のリハビリのためにこの運動法を考案しました。そのため、ピラティスはリハビリテーションの要素を多く含んでいます。長寿科学振興財団
ピラティスの特徴は、呼吸と動作を連動させながら、体幹の安定性や柔軟性を高めることにあります。また、筋肉のバランスを整え、姿勢を改善する効果も期待できます。
ピラティスとリハビリの関係
ピラティスは、リハビリテーションの一環として取り入れられることが多くなっています。特に、腰痛や肩こり、膝の痛みなど、慢性的な不調の改善に効果的です。また、バランス感覚や筋力の向上にも寄与するため、転倒予防にも役立ちます。
ピラティスのリハビリ効果
✅姿勢の改善
ピラティスは、体幹を強化し、正しい姿勢を維持するための筋肉を鍛えることができます。これにより、猫背や反り腰などの姿勢の歪みを改善し、身体への負担を軽減します。
✅筋力と柔軟性の向上
ピラティスでは、全身の筋肉をバランスよく鍛えることができます。特に、インナーマッスルを強化することで、関節の安定性が向上し、怪我の予防にもつながります。マイ財団
✅呼吸機能の改善
ピラティスでは、深い呼吸を意識しながら動作を行います。これにより、肺活量が増加し、呼吸機能の改善が期待できます。長寿科学振興財団
自宅でできるピラティスエクササイズ例
✔️基本の呼吸法
ピラティスでは、胸式呼吸を基本とします。鼻から息を吸い、口からゆっくりと吐き出すことで、リラックス効果が得られます。
✔️ペルヴィックカール
仰向けに寝て、膝を立てます。息を吐きながら骨盤を持ち上げ、背骨を一つずつ床から離していきます。息を吸いながら元の位置に戻ります。これを数回繰り返すことで、腰部の柔軟性が向上します。長寿科学振興財団
✔️スパインツイスト
座った状態で、両足を前に伸ばします。背筋を伸ばし、息を吸いながら上半身を左右にひねります。息を吐きながら元の位置に戻ります。これにより、背骨の柔軟性が高まります。
他にもこのようなボーズがありますよ♪
🧘♀️ 自宅でできるピラティスポーズ一覧
ポーズ名 | 目的・効果 | 特徴・ポイント |
---|---|---|
① シングルレッグストレッチ | 体幹・腹筋強化 | 仰向けで片脚ずつ伸ばす動作。腰が反らないように注意。 |
② ハンドレッド(The Hundred) | 腹筋・呼吸力強化 | 仰向けで頭と脚を浮かせ、腕を上下に動かしながら呼吸をコントロール。 |
③ ロールアップ(Roll Up) | 背骨の柔軟性・腹筋 | ゆっくりと仰向けから座位まで起き上がる。反動を使わないのがコツ。 |
④ ショルダーブリッジ | お尻・背面強化 | 骨盤を持ち上げてお尻を締め、背骨を1つずつ下ろす意識で。 |
⑤ スイミング | 背筋・姿勢改善 | うつ伏せで対角の手足を交互に持ち上げて動かす動作。 |
⑥ サイドレッグリフト | お尻・内もも | 横向きで脚を上げ下げする。体幹を固定して骨盤がブレないように。 |
⑦ ロールオーバー | 柔軟性・腹筋 | 脚を天井へ持ち上げて後方へ倒すポーズ。難しい人は脚を天井まででOK。 |
①シングルレッグストレッチ
②ハンドレッド
① 仰向けになり、両足を持ち上げる
両脚を伸ばしたまま、床から約45度の角度に浮かせる(首・肩も持ち上げる)
膝を曲げて始めてもOK(特に初心者や腰が弱い方)
② 腕を床から少し持ち上げ、まっすぐ伸ばす
手のひらは床に向けて、太ももの横で静止
背中はマットにつけたまま、腹筋で体を支える
③ 息を「5回吸って・5回吐く」リズムで100回繰り返す
吸って5カウント ➝ 吐いて5カウント(×10セットで100)
腕は細かく上下に動かし続ける(ポンピング)
③ロールアップ(Roll Up)
④ショルダーブリッジ
⑤スイミング
⑥サイドレッグリフト
⑦ ロールオーバー
① 仰向けになり、両脚を伸ばしてリラックスする
両腕は体の横に置いて、手のひらを床に向ける
脚はそろえてまっすぐの状態に
② 息を吸いながら、脚を天井方向へ持ち上げる
腹筋を使って、脚を90度までゆっくりと上げる
腰が反らないように体幹で支える
③ 吐きながら、脚を頭の方向へ倒して床に向ける
背骨を1つずつマットから離すように、骨盤を持ち上げる
両脚が床と平行か、つま先が床に触れるくらいを目指す
④ 息を吸って静止、吐きながらゆっくり戻す
背骨を1つずつ下ろすイメージで丁寧に戻る
脚を再び床の近くまで戻して1回分
リハビリに役立つピラティスグッズ
自宅でのピラティスを効果的に行うためには、以下のようなグッズを活用すると良いでしょう。
ストレッチポール
ストレッチポールは、背骨のアライメントを整えるのに役立ちます。仰向けに寝て、ポールの上に背骨を乗せることで、姿勢の改善や筋肉のリラクゼーションが期待できます。長寿科学振興財団
バランスボール
バランスボールは、体幹の筋肉を鍛えるのに効果的です。大きなバランスボールは、座るだけでも自然と姿勢が良くなり、インナーマッスルの強化につながります。
まとめ
ピラティスは、リハビリテーションにおいて非常に有効なエクササイズです。
自宅で手軽に行えるため、継続しやすく、身体の機能回復や姿勢改善に役立ちます。
また、ストレッチポールやバランスボールなどのグッズを活用することで、さらに効果を高めることができます。ぜひ、日常生活にピラティスを取り入れて、健康的な体づくりを目指しましょう。長寿科学振興財団
※本記事の内容は、公益財団法人 長寿科学振興財団の「健康長寿ネット」および厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」など、公的機関の情報を参考にしています。